今日はストールの素材でもあるウールのルーツについて少しお話したいと思います。
ウールは偉大な大自然の恵みと人間の英知が融合したまさに【生きている神秘の繊維】と言われています。
ウールという素材ができるまでの羊と人間との関わりはとても古く、約8000年以上にもさかのぼるといわれています。
中国4000年の歴史の実に2倍以上になりますね。
すご~い!!
とはいっても日本人にとってウールの素材となっている羊は、あまりなじみのある動物とはいえないんです。
なぜなら、湿度の高い日本の気候が羊の飼育環境には向いていなかったので、なかなかウールを使った毛織物ができなかったんですね。
しかしながら、ちょっと歴史を振り返ってみると、日本と羊のつきあいは以外と古いことがわかりました。
干支の十二支に登場したり、江戸時代の火消しの羽織に使われ たりと思いもよらないところで羊と関わりがあったとされていますが、日本の羊毛工業の歴史は、まだまだ浅く実は100年足らずなんですよね。
というのも、先ほどお話ししたように湿度の高い日本では羊の飼育がうまくいかいないので江戸時代までは南蛮貿易を経由して羊毛を仕入れるしかありませんでした。
羊毛製品が国内で製造されるようになったのは明治からで、鎖国が終わり外国製品の輸入が増加してからだと言われています。
特にヨーロッパからの官制・軍制の導入によって洋服の需要が高まるにつれ、羊毛製品が日本中に広がったとされています。
明治12年(1879年)には、日本で最初の近代的毛織物工場・官営の南千住製絨所が創業されました。
ちなみに、この工場は昭和20年まで日本の羊毛工業の発展にとても重要な役割を果たしたそうです。
日本と羊(羊毛製品)の関係ってこのような歴史から成り立っていたのですね。